わからない用語が出てきたら、ポーカー用語集で確認してみてください。
1. ゲーム理論を学ぶ
ポーカーを基礎から学び始めることはとても重要です。昔のプレイヤーは感覚でポーカーを学んでいましたが、現在では感覚で学んでもなかなか勝てるようにはなりません。
まずは、ゲーム理論の基本概念を学びましょう。ポットオッズ、SPR、エクイティ、期待値、MDF、EQRなど様々な概念があります。これらの概念は難しい数学の知識は必要とせず、また、プレイ中に計算をする必要はありませんが、これらの概念を学んでおくことがポーカーの上達に繋がります。
どれくらいの強さのハンドでどのラインが適切なのか理解する必要があります。例えば、20SPRでキッカーなしのトップペアを持っている際に、オールインまでいくことは多くのケースで間違っています。また、1枚ストレートが2種類作れるボードだからといってセットをフォールドするのは、SPRが低い状況では間違っていることが多いです。このように、どのプレイが良くてどのプレイが悪いのかの感覚を養うには、これから挙げる9つの項目を学んでいきましょう!
11月の日刊GTOで基礎的なテーマを取り上げました。詳しくはこちらをご覧ください。
2. アクションの境界線を考える
中級者になるための最短の方法は、アクションの境界線を学ぶことです。どの強さのハンドでベットやレイズ、コールをするべきなのか常に考えます。
初心者の多くは、中程度の強さのハンドを強く見積もりすぎています。ソリューションを見る時は、どのレベルのハンドがどういうアクションを取っているのか調べるようにしてください。一つ一つのハンドのアクションを覚えるのではなく、レンジ全体のアクションの境界線を覚えることが重要です。
3. ハンド単体ではなくレンジでどうプレイするか
初心者がよく犯すミスは、一つ一つのハンドの頻度に拘ってしまうことです。一つ一つのハンドの頻度を全てのスポットで暗記することは不可能です。
ハンド単体ではなく、レンジ全体をみて、適切なバリューとブラフの適切な割合を考える必要があります。もしハンド単体の頻度が間違っていたとしても、重要なのはレンジ全体での頻度です。詳しい方法はこちらのYouTubeチャンネルをご覧ください。
4. ポットを取る回数が多い=EVの最大化ではない
人間は勝ったことよりも負けたことを気にするようにできています。そのためEVの高いプレイをするのではなく、すぐにポットを勝ち取ろうとプレイしてしまいます。ポーカーでベストなプレイは、時々大きなポットを獲得するが、その間に何度も小さなポットを失うこともあります。
例えば、サイコロで1-5の目が出たら、$10を失い、6が出たら100ドルもらえるとします。この勝負では83%の確率で$10失いますが、17%の確率で$100もらえます。
このゲームは+EVで、EV = (1/6 * $100 – 5/6 * $10) = +$8.33となります。
このように、勝つ回数が多いからといってEVが高いわけではありません。ドローを相手に引かせたくないからと言って常にベットしてフォールドさせるのではなく、たまにはチェックをしてEVを高くすることも必要です。心理的バイアスを克服していきましょう。
5. 強いハンドを過信しない
初心者の多くは強いハンドを過大評価しており、その結果、相手にインプライドオッズを実現させてしまっています。
特に100bbディープのキャッシュゲームをプレイする場合はインプライドオッズは非常に重要です。ナッツを作れる可能性のあるハンドは、複数のストリートでプレイし続けることができ、ドミネイトされているトップペアで得られるEVよりもはるかに大きなEVを得ることができます。多くの初心者は、3ベットに対してAJoのようなハンドをフォールドし、代わりにスーッテッドコネクターやポケットペアのような、よりインプライドオッズの高いハンドをコールしていることを知りません。
初心者のよくあるリークとして、AAやKKなどの強いペアを過信してフォールドできないことが挙げられます。相手のツーペアやスリーカードのようなハンドに対して多くのチップを取られています。初心者はこのようなミスをよく起こしており、AAやKKも単なるワンペアだと認識する必要があります。
6. ナッツが利益の大半である
期待値の多くはナッツから得ています。スタックが深くなればなるほどこの傾向は強まります。ほとんどのハンドは、大したEVを持たず長期的にはほぼ利益を生みません。
100bbのキャッシュゲームでのBTNのオープンレンジを見てみると、BTNは42%のハンドをオープンしていますがハンドの半分は、0.1bb以下のEVしかありません。
ポストフロップでも同様で、EVのほとんどは数少ないナッツハンドによって生み出されています。そのためナッツをいかに上手くプレイするかが重要となります。
7. プリフロップから学ぼう
プリフロップを学ぶことは、上達するのに最も手っ取り早い方法です。プリフロップを学ぶと、ポストフロップもうまくプレイできるようになります。プリフロップのソリューションは、GTO Wizardで無料でみることができます。また、GTO Wizardにはプリフロップを上達させるトレーニングモードも用意されています。
プリフロップを無意識でプレイできるようになることでミスが減り、また後のストリートでも上手くプレイすることができるようになります。ぜひ一度、GTOトレーナーを使ってみてください!
8. 経験則を疑う
これまでに考え学んできた戦略は、バイアスを受けている可能性があります。ソルバーの結果を理解する時、人間は理論の幅を広げるのではなく、自らの考えや理論と一致するように解釈する時があります。
正しく解釈するためには、視野を広げる必要があります。特にゲーム理論に基づいた最適な戦略を今まで学んでいなかった人は要注意です。思い込みを捨て、理論と違う考えを自分が持っていたら、その考えを改めるようにしてください。重要なのは、これまでの考えや理論を正当化するのではなく、発展させていくことです。
9. 分散は想像しているよりもはるかに大きい
コインのフリップをして、6回連続で表が出ると次は裏が出ると思う人は多くいるのではないでしょうか。しかし、その確率は半々で次に裏が出やすいことはありません。
同じように、運が悪いことが続いたからといって、次は運が良くなるわけではありません。前のハンドと今のハンドは独立した出来事であり、前回の出来事は関係ありません。
ポーカーにおける分散は、人間が理解できる範囲をはるかに超えています。ポーカーの分散を計算したことがある人であれば、統計的に勝っているかどうか判断するには何万ものハンドが必要であることを知っていると思います。ポーカーの分散に関する計算についてはまた後に詳しく説明します。
10. 微妙なハンドでプレイし続けない
アグレッシブで弱いプレイヤーによくあるリークはショーダウンバリューがある中程度の強さのハンドでもアグレッシブにプレイしてしまうことです。
彼らはまくられることを恐れているが故に、諦めるレンジとアグレッシブにプレイし続けるレンジしか持っていません。
その結果、自分より弱いハンドにはフォールドされ、より強いハンドにしかコールされません。このプレイで上手くいくのはコーリングステーションが相手の時だけです。
ドローが多くあるボードだからといって、何か役があるハンド全てでベットする必要はありません。ショーダウンに持ち込んだり、ポットコントロールのレンジを作ることも1つの戦略です。
このテーマに関する内容は下記の動画でも見ることができます。