プロファイル別エクスプロイト 第4回|TAG
他のプレイヤープロファイルとは異なり、TAG Regは特に大きなミスをしません。チェックとフォールドへのインセンティブが僅かに高く、コールへのインセンティブが僅かに低く設定されています。コールへのインセンティブが低いため、相対的にレイズの魅力が高まり、結果としてかなりアグレッシブになります。名前どおり、このプロファイルはタイトかつアグレッシブです。
ある意味では、Nitを少し弱めたような相手です。Nitと同じく、TAG Regもチェックとフォールドが多くなっています。ただし、チェックレイズの頻度が高いため、対応は単純ではありません。
今回は、100bbキャッシュゲームのBTN vs BBのSRPを採用しています。GTOのBBとTAG RegのBBに対するBTNのCベット戦略を比較します。この比較から、同じ設定でBTNがNitにどう対応するかとの違いも直接確認できます。
TAG Regのプリフロップのコールレンジは、GTOの基準から変えなくても問題ありません。他のプレイヤータイプとは異なり、TAG RegはGTOを勉強している上手い相手であり、よくあるプリフロップスポットではGTO戦略に近いプレイをしていると考えられます。
Cベット戦略
TAG RegのBBに対するBTNのCベット戦略は、GTO相手とほぼ同じです。
ただし、TAG相手には小さいベットサイズをより優先します。TAGのフォールド過多を最も効率よくエクスプロイトできるのが、この小さいベットです。ベットサイズが小さければ、チェックレイズされた後にフォールドするハンドの損失を抑えられます。レイズに対しコールするか迷うハンドも、相手のレイズサイズが小さくなるため対応しやすくなります。
TAG相手には、BTNがコネクトしていないボードでベットする傾向も強くなります。これもチェックレイズへの警戒が理由です。こうしたフロップはBBがレイズしにくいうえ、レイズにフォールドしても大きなエクイティを失いにくいため、アグレッシブなBBへのCベットに向いています。正確には、ベットの魅力が増すというより、ベットのデメリットが小さくなります。
実際、TAGのBBが小さいレイズをする頻度はGTOのBBの4倍を超え、大きいレイズサイズも僅かに多く使います。
TAGのレイズ戦略はGTOよりはるかにアグレッシブですが、BTNはフォールドを僅かに減らすだけです。TAGのチェックレイズ戦略がGTOと大きく異なるのに、BTNのディフェンス戦略がほとんど変わらないのはなぜでしょうか。
この理由を、特定のフロップで確認します。
ケーススタディ:7♥6♦5♥
7♥6♦5♥は、BTNがTAGとGTOのどちらにもほぼ同じ頻度でCベットする一方、TAGにはベットサイズを小さくするフロップの一例です。
ベットサイズを小さくするのは、TAGの過剰なチェックレイズだけでなく、フロップでチェックしすぎることへの対応でもあります。このフロップでGTOのBBはレンジの20%をドンクベットし、そこには強いハンドが多く含まれます。一方、TAGは100%チェックすると仮定します。そのため、TAGのチェックレンジにはより多くのエクイティが残り、BTNがポットへチップを入れるインセンティブは下がります。
TAGがチェックレイズしすぎるからといって、チェックレイズレンジが弱すぎるとは限りません。GTOのBBは、セットやストレートなど、レンジ上位のハンドをすべてチェックにも混ぜます。TAG Regがレイズを選びやすくなる調整では、弱いハンドとのバランスを取るため、こうした強いハンドのチェックレイズ頻度も上がります。そのため、TAGのチェックレイズレンジに含まれる強いハンドと弱いハンドの比率はGTOとほぼ同じになり、BTNの対応もほとんど変わりません。
ターンでのバレル
BBの過剰なチェックレイズは、エクスプロイトできる偏りを生みます。ただし、その機会が生じるのはゲームツリーのチェックレイズ側ではありません。BBがフロップのベットをコールし、2♣のターンをチェックした場合は次のようになります。
TAGはフロップでスロープレイが少なすぎるため、ブランクのターンでレンジが脆弱になります。BTNは、バレル頻度を高めて大きいベットサイズも増やし、TAGをエクスプロイトします。
2♥のターンでは、ここまで大きな差はありません。TAG相手には小さいベットサイズを使う頻度が高くなりますが、BTNが全体としてポットへ入れるチップの総量はGTO相手とほぼ同じです。
TAGはフロップで2つのミスをしています。レイズしすぎるだけでなく、フォールドしすぎます。ここまでは主にレイズ過多の影響を見てきました。このミスによって、TAGはブランクのターンでレンジがキャップされ、脆弱になります。
一方、フロップでフォールドしすぎるため、TAGがチェックコールした後のレンジには、GTOより弱いハンドが少なくなります。ブランクのターンでは、BTNが反撃をほとんど気にせず大きくバレルし、TAGのマージナルなハンドをすべてブラフキャッチャーにできるため、この点はTAGにとって大きな助けにはなりません。しかし、BTNのナッツアドバンテージが小さくなるターンでは、BBのレンジに攻められる弱いハンドが少ないため、BTNのベット頻度は下がります。
まとめ
TAG Regには、レイズを直接促すインセンティブはありません。GTOならドンクベットするハンドをチェックしやすくなる調整と、コールしにくくなる調整が組み合わさり、アグレッシブなチェックレイズ戦略になります。これはプレイヤープロファイルの仕組みだけで生じる特殊な現象ではなく、実際のTAGにもよく見られるプレイです。
この過剰なチェックレイズによって、BTNのインセンティブも大きく変わります。BTNはレイズを警戒し、フロップで小さいベットサイズを使います。特に、TAGがドンクベットしないことでチェックレンジにナッツ級のハンドが多く残る、コネクト度の高いフロップではその傾向が強くなります。
BTNはチェックレイズそのものを直接エクスプロイトしませんが、その結果としてゲームツリーの別の場所にエクスプロイトできる機会が生まれます。BBが強いハンドならフロップでチェックレイズしていたはずだと分かるため、BTNはブランクのターンでよりアグレッシブにバレルできます。













