GTO Wizardの練習モードで実戦力を磨く方法
GTO Wizardは、プリフロップレンジを習得することから、AIを使って最適なポストフロップラインを見つけることまで、プレイヤーの上達を支える幅広いツールを提供しています。今回はその中でも特に優れた機能である練習モード(Practice Mode)に注目します。この機能では、さまざまな条件を設定して実際のゲームのようにシナリオをプレイし、その後に自分のパフォーマンスを評価できます。さらに、各スポットを後からじっくりと学習することで、戦略を長期的に強化することができます。
この記事では、このツールをもっとも効果的に使う方法を解説します。新しいドリルの設定方法や、各練習セッションの目標に合わせて最適な設定を選ぶ方法、そして実際に役立つあらかじめ用意されたドリルの紹介を行います。
はじめに
まずは、以下のGTO Wizardヘルプセンターガイドを確認して、練習モードの主な機能を把握しましょう。このツールの基本的な使い方をまだ知らない方は、「How To Use the Trainer」のガイドを先に読むことをおすすめします。
このチュートリアルでドリルの始め方を確認したら、続いて効率よくドリルを設定し、実際に取り組む方法を見ていきましょう。
ドリルの設定
どの部分を伸ばしたいかによって、ドリルの設定方法はさまざまです。
カスタムスポットのドリル
ソリューションライブラリやハンド解析機能で見つけた特定のシチュエーションを練習したい場合、以下の手順でカスタマイズしたドリルを作成できます。
ソリューションブラウザやレンジ構築画面から下記の赤色で囲われている部分を選択します。
ハンド解析機能の「Uploads」セクションでは、特定のハンドにカーソルを合わせて目のアイコンを選びます。
そして、右側の詳細パネルから Study
アイコンを選び、ソリューションブラウザを起動
こうして対象スポットを開いたら、コントローラーアイコンをクリックしてドリルを作成します。
幅広く練習するとき
特定の場面ではなく広い学びたい場合は、練習モードのタブから直接ドリルを作成できます。
アプリ上部の「練習」タブから「ドリル」セクションへ移動し、緑色の「New」ボタンを押して新規ドリルを作成
ここでパラメータを設定します。次の章はこのガイドにあるように、それぞれの設定をどのように活かすかを紹介します。
学びを深めるための工夫
学習目標に応じてドリルを調整
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まず、ドリルで達成したい学習目標を明確にすることが大切です。最も簡単な方法は、自分が身につけたい判断基準について具体的な問いを立てることです。例えば「モノトーンボードでどんなレンジをCベットすべきか」「UTGオープンに対してBBはどのハンドでチェックレイズするのか」といったものです。質問が具体的であるほど新しいドリルから得られる学びは大きくなります。
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次に、その問いに答えられるようにドリルの主要なパラメータを設定しましょう。新しいドリルを作成する前に、必ず目的に合った条件が反映されているかを確認してください。利用できるドリル設定とその使い方の一覧については「How To Use the Trainer」を参照してください
プリフロップレンジをカスタマイズ
ドリルを設定するときには、必ずしもすべてのハンドを対象にする必要はありません。特定の組み合わせだけを練習することで、明らかにフォールドすべき場面を自動的に飛ばし、効率よく学べます。例えば、
RNGの使い方
ソルバーが示す通り、GTO戦略では混合戦略が欠かせません。そのため、自分のアクションをランダムに振り分けるためにRNG(乱数生成)を使うことが推奨されます。多くの場面では複数のアクションの間で期待値がほぼ同じになり、どれか一つに偏って選んでしまうと相手にエクスプロイトされやすくなります。RNGを取り入れることで、アクション動の偏りや先入観にとらわれることを防げます。
さらに、RNGを有効にすると、アクションの頻度に応じて正しいアクションを選んだかどうかを点数化してくれます。例えば次のように判定されます。
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High RNG: サイコロの出目が高いほどアグレッシブなアクションを選びます。例えば、そのハンドがレイズ10%なら出目が90以上のときはレイズ、逆にフォールド10%なら出目が10以下のときはフォールドを選びます。
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Low RNG: 低い出目ほどアグレッシブなアクションを選びます。例えば、レイズ10%のハンドなら出目が10以下でレイズを選ぶ、といった具合に高低が逆になります。
ミスから学ぶ
- ミスを確認せずにそのまま進めないこと。ドリルを行う中で最も大切な学習工程のひとつは、各ハンドで間違えた部分をしっかり振り返ることです。必ずソルバーがなぜそのアクションを推奨したのかを確認しましょう。
- 自分のハンドだけを見るのではなく、相手がどのようなレンジでアクションしているかにも注目すること。例えばディフェンス側であれば、相手のベットレンジを理解することが自分の戦略の前提になります。
- 特定のスポットだけにとどまらず、似たようなシチュエーションを比較することで、そのアクションを取る境界線を把握することができます。例えば、バブル付近でのICMプリフロップレンジを学ぶとき、スタックが浅くなるにつれてオープンやオールインのレンジがどう変化するかを比較するのが効果的です。
- 低い頻度で選ばれる特殊なプレイに過度にこだわりすぎないこと。特定のブロッカーを持つハンドだけ大きくベットしたり、まれにフォールドするなどの例は存在しますが、それに偏ってしまうと実戦での汎用性が下がります。学ぶべきはより一般的で実戦に応用できる判断基準です。
参考資料と関連情報
練習モードを正しく使えば非常に効果的な学習方法になりますが、誤った使い方では非効率になることもあります。以下のコンテンツも参考にしてください。
- GTOトレーナーの秘密:『このドリルを使えばもっと早く上達できる!』──Jarretmanによる詳しい解説で、なぜランダムなスポットばかり練習するのは非効率なのか、そしてボードテクスチャごとの違いに注目すべき理由を学べます。
- Joey Ingramによる「GTO Wizardを30分でどう活用するか」──ファイナルテーブルを題材にしたドリルの組み方と実際の進め方。
- MTTプレイヤー向け「学習段階別ガイド5ステップ」──レベルに応じて取り組むべきドリルを段階的に紹介し、効果的な学び方を示します。
- キャッシュゲームプレイヤー向け「学習段階別ガイド5ステップ」──同様にキャッシュゲーム用に、レベル別のおすすめドリルと学習法を示します。
- Tombos21による「2025年にポーカーで勝つための方法」──効果的な学習の基本を押さえた総合的なガイド
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