BTNがオープンし、BBがコール。ディーラーが3枚のコミュニティカードを配ります。KT3rのフロップでBBが20秒間考えチェック、BTNはどうするべきか。
この記事では、BBに対する様々なIPからのCベット戦略を見ていきます。どの要素がベット頻度とサイズに影響するかを学び、その過程でいくつかのフロップを検証します。
レンジを理解する
プリフロップのレンジがどのように様々なボードと関係しているかを理解することは、ポストフロップの効果的な戦略を構築する上で極めて重要なことです。では、フロップで自分や相手のレンジがどのように関係しているかを分析する場合、まずどのようなステップを踏むべきでしょうか。
アンドリュー・ブロコスの記事「Flop Heuristics」でのMTTにおけるIP のCベットを引用すると、彼はCベットをする時、「自分と相手、どちらがこのフロップでヒットしている可能性が高いか?」ということではなく、”このフロップは相手をどのように強くしているか?“と考えるべきだと述べています。
この小さな、しかし重要な違いが、プリフロップのアグレッサーとしての正しい考え方を身につけることができます。相手はプリフロップで3ベットしていないため、一番上の強いハンドがなく、ブラインドがあるため相手のレンジは広くなっています。この2つの要素が組み合わさることで、BTNにとって好ましくないボードであっても、相手より有利になります。
テクスチャーを理解する
ポーカーには多種多様なフロップがあり、正確には1755種類の戦略的に異なるフロップがあります。経験豊富なプレイヤーでさえ、この数には圧倒されるでしょう。GTO Wizardの集合分析レポートでは、フロップを分類し、共通のパターンを探すことができます。
グループ分けの失敗
GTO Wizardのフロップでのグループ分けツールを使ってみます!この分析では、最もよくある、BTN対BBを使用します。次の図は、ハイカード別にグループ分けされた様々なボードにおけるBTNのCベット頻度を示しています。今回使用するのはシンプルソリューションで、BBはドンクする選択肢がありません。
騙されないでください!
すぐにわかることは、2ハイのフロップが最もベットしているということです。しかし、2が必ずしも有利だからではなく、2ハイのフロップは222しかありません。3ハイのフロップもペアボードしかありません。Aハイのフロップが最も発生しやすく、Kハイのフロップがそれに続きます。
なぜハイカードの方がベットするのか?
プリフロップのレイズするレンジには、A、K、Qなどのハイカードを含むハンドが多く含まれています。逆に、5や6のような低いカードを含むハンドはあまりありません。BBもハイカードを持っていますが、プリフロップでブラインドを払っている分オッズが良いので、レンジの大部分は低いカードで構成されています。
BTNはハイカードのボードではよく絡み、より多くベットします。
意外な発見
ハイカードによるグループ分けをもう一度見てみると、Aハイのフロップは8からKハイのフロップよりもベット頻度が低くなっています。
なぜでしょうか
いくつか要因はあります。
フォールドエクイティの価値が低下
K73やQ73のボードでは、あまり強くはないトップペア(例えばK8やQ9)でベットして相手のオーバーカードのエクイティを放棄させることができます。しかし、Aハイのボードには、オーバーカードがありません。そのため、エクイティをわざわざ放棄させる必要がなく、Axの中でもキッカーが弱いハンドはフロップをチェックし、ターンやリバーでベットすることがあります。
さらに、BBはAxを多く持っているので、KKやQQのようなハンドでベットをする価値はあまりありません。
AハイボードはBBのレンジをポラライズする
Aハイのボードでは、BBは中途半端な強さのハンドをあまり持っていません。そのためOOPは2ペア以上のハンドとブラフで大きなチェックレイズをし、IPの強いトップペアでさえフロップからインディファレントとなることがあります。
では、Aハイボードの知識を実践してみましょう。
A73r ケーススタディ
ベットだけでなく、チェックを見てフロップを分析するのも良い方法です。
キッカーが弱いAxとKK-JJは、他のハンドよりもかなり高い頻度でチェックしています。これらのハンドはまくられる可能性が低いため、フロップでベットする必要がありません。IPがこのようなハンドを多くベットするようになると、ますますBBはチェックレイズをするようになり、IPは厳しい状況に追い込まれます。
強いキッカーを持つKxもよくチェックするハンドの1つです。これを理解するために、KJのようなハンドでベットすることが何を意味するのか考えてみましょう。K8やJTのように相手がフォールドするハンドのほとんどは、KJに対してほとんどエクイティを持っていません。また、K8やJTのようなハンドはターンでペアになってもバリューを取ることはできません。ベットをすると、AJやKQのような強いハンドがOOPのレンジを占めている割合を増やし、アウツが少なくなってしまいます。
フロップのCベットに対するBBの戦略を見てみます。
BBはこのフロップでは2ペア以上のバリューからなる大きなレイズしか使いません。ブラフのほとんどはストレートドローと弱いペアです。
BTNはレイズされると、AQのような強いハンドでもインディファレントになります。面白いことに、強いポケットペアはAxよりコールしています。
ペアボード
ペアボードはベット頻度が高くなります。しかし、小さいサイズでしかベットされない傾向があります。これは主にプリフロップのエクイティアドバンテージによるものですが、トリップスが両プレイヤーのレンジにあることによるナッツアドバンテージの減少によるものでもあります。ペアボードの場合、ドローも作りにくくなり、小さいベットに対してエクイティを実現し続けるのは非常に難しくなってしまいます。ペアになっている数字の位が高いほど、またボードがバラバラであるほど、プリフロップのアグレッサーのベット頻度とアドバンテージは大きくなります。
コネクティビティ
GTO Wizardは、フロップでストレートの可能性がある場合、フロップを繋がっている(Connected)と分類します。
繋がっていない(Disconnected)
このボードはどちらのプレイヤーにとっても最もボードとの繋がりが薄いです。これは他のボードよりもIPのプリフロップのアドバンテージを保つことができます。このテクスチャーでは33%ポットサイズがよく使われますが、130%ポットサイズもよく使われます。
OESDの可能性がある
OESD(オープンエンドストレートドロー)の可能性があるボードで強いハンドに分類されるものは、後のストリートで変化する可能性が高いので、フォールドエクイティとフロップでのプロテクションを得るため、ベットサイズを大きくすることが多くあります。このボードのテクスチャーでは、66%ポットサイズのベットが増えますが、全体的なベット頻度は減少しています。
繋がっている(Connected)
繋がっているボードは、フロップでストレートがBBのレンジにあることが多いため、特殊なケースです。繋がっているボードでは133%ポットサイズのベットはほとんど使いません。
スート
スーテッドでのフロップは先ほどの繋がっている(connected)フロップと似た傾向があります。レインボー(全ての色がバラバラ)フロップはどちらのプレイヤーにとっても最も繋がりにくく、最も頻繁にベットします。フラッシュドロー(色が同じカードが2枚)のフロップでは全体的なベット頻度は減少しますが、サイズは大きくなります。最後に、モノトーンボード(全ての色が同じ)はベット頻度とサイズが大幅に減少します。
モノトーンボード
モノトーンボードではIPのナッツアドバンテージを著しく妨げます。これはEVでみるとわかります。
相手のフラッシュが自分の強いハンドを上回ることが多いためです。フロップのベット頻度を下げる要因は、他にもいくつかあります。
モノトーンフロップでは、フラッシュを持っていると相手のコールレンジをブロックする。
On a K♥9♥5♥の場合、A♥T♥を持つと、相手のディフェンスするレンジのかなりの部分がブロックされ、バリューを得ることが難しくなります。相手はJTやQTのようなハートのないハンドでディフェンスできません。ダブルバレルをされると、相手はハートのないトップペアのような強いハンドでもフォールドします。
これは、フロップのチェックレイズの頻度が他のボードのテクスチャーに比べて非常に低いことを示唆します。バリューでレイズする主なハンドは、コールレンジをブロックするフラッシュです。
さらに、ベットは必ずしも様々なフラッシュドローからのプロテクションにはなりません。上手なプレイヤーはK♥9♥5♥のボードでハートを持っている際、小さいベットに対してフォールドせず、サイズを大きくすると、相手のレンジの強くなった部分と戦うことになります。
低いフラッシュはまくられやすい
IPがフロップで低いフラッシュをチェックするのは非常に合理的なプレイです。これらのハンドは、後のストリートでまくられる可能性があります。
バリューでレイズしたい主なハンドはフラッシュであり、フラッシュはコールレンジをブロックしています!これは後のストリートでの戦略を考える上でも役に立ちます。OOPのレンジにはフラッシュが大量に残っているため、IPはターンでサイズを大きくしにくいです。
- BTNの低いフラッシュの戦略は、フロップでチェックし、ターンでポットの半分程度をベットし、リバーで関係のないカードが落ちたら、2xポットサイズのベットをします。
- 2枚とも高い数字のフラッシュは、相手のレンジの多くをブロックするので、フロップではチェックします。
- A2♠やK6♠)などの高い数字と低い数字でできているフラッシュはベット候補として最適です。4枚目のハートが出ても強さを維持でき、相手のコールレンジをそこまでブロックすることもなく、まくられる心配もありません。
まとめ
SRPでのCベットのポイントをいくつかまとめます。
- ハイカードのフロップでは多めにベットし、プリフロップのアグレッサーとしてのアドバンテージを維持します。
- ペアボードや繋がりの薄いフロップ(ストレートができにくい)では多くベットします。
- ドローはあるけれど、まだ完成していないフロップではポラライズした大きなベットを少ない頻度で行います。
- ストレートやフラッシュが完成するようなフロップでは、サイズを下げてベット頻度を少なくします。
ここまでお読みいただきありがとうございます!様々なスポットに応用できる新しいアイデアを学んでいただけたなら幸いです。フロップの戦略は非常に幅広いトピックですので、ここではさらに理解を深めるための動画を紹介します。