OOPからのCベットは時としてSRPでは危険な局面になります。フロップでコールドコールのレンジはプリフロップレイザーと同程度のエクイティを持っていることが多く、平均的なフロップではポジションによってコーラーの方が有利になります。
これは3ベットポットには当てはまりません。OOPの3ベットレンジはコーラーよりも強く、SPRが低いのでポジションはそれほど重要ではありません。その結果、3ベットポットではOOPでもCベット頻度が高くなります。
それでも、ベットサイズやスタック、フロップテクスチャーは戦略に影響するため、この記事では深く掘り下げていきます。
レイザーのレンジアドバンテージ
レイザーのレンジアドバンテージを深掘ります。エフィエクティブスタック40BBで、UTGが2.3BBでオープン、BBが9.2BBにスリーベットし、UTGコールした場合を考えてみましょう。それぞれどの程度のリスクがあるでしょうか?
BBは追加で8.2BBをポットに入れているので、オリジナルレイザーからオールインされるリスクがあります。
一方、UTGは6.9BBを足してコールし、そこでプリフロップのアクションは終わりになります。そのためオープンの2.3BBはブラインドのように機能します。既にポットに入っているので、コールに必要なリスクには含まれません。UTGはお得にフロップを見ることができ、フロップ以降IPで戦えるため、BBの3ベットハンドより弱いハンドでコールできます。
UTGにはオールイン以外の4ベットはありません。このシナリオではGTO WizardはAAをピュアコールしているため、レンジが大きく「キャップ」されているわけではありませんが、強いハンドはやや少なくなります。AKやQQのようなAAより弱い非常に強いハンドは、フロップを見に行くよりプリフロップでオールインするメリットが大きいためです。
オリジナルレイザーはお得にフロップを見ることができ、フロップ以降IPで戦うことができるため、ブラインドの3ベットハンドより弱いハンドでコールすることができる。
このことから、BBはUTGよりも通常強いレンジを持っています。この例では、BBのエクイティは54.4%であり、UTGは45.6%です。この数値はスタックサイズやポジションによって前後しますが、大きくは変わりません。OOPから3ベットする場合、常にIPより強いレンジを持っていなければなりません。以下は40BBのMTTでのBBの3ベットに対するUTGのコールレンジです。
SBの3ベットは、BBからコールド4ベットされるリスクがあるため、この差はさらに顕著になります。同じシナリオであればSBのエクイティは56.3%、UTGは43.7%になります。
全体的なCベッティング戦略
3ベットした側がフロップでかなりのエクイティアドバンテージを持っているため、ポジションの重要性が下がるSPRが低い局面では、高頻度でCベットします。
次の図は、様々な組み合わせのCベット戦略を示しています。スタックサイズでフィルターをかけることもできます。
どんな傾向やパターンを見つけることができましたか?いくつか紹介しますが、まずは自分自身で図をじっくり観察してみましょう。
BBとSBの戦略はどのシナリオでも似ていますが、常にBBの方が若干高頻度でチェックしています。BBのCベット頻度はほとんどのベットサイズでSBより低くなっていますが、「増えた」チェックはスモールベットの代わりです。これは、SBの方が3ベットレンジがやや強いことを考えると自然でしょう。そのため、SBは平均的にフロップでのエクイティが勝っていることが多く、弱いハンドでBBよりも小さいベットでエクイティアドバンテージを主張することができます。
どの場合も、スタックが浅いほど、OOPはCベットを頻繁に行うようになります。OOPは後のストリートのプレイが難しいため、ポットを大きくすることはリスクになりますがスタックが浅ければその分リスクも下がります。また、ポジションの優位性が下がることで、IPがコールするメリットも下がるため、少さいフロップベットでもすぐにフォールドエクイティが得られるようになります。
レイズがLPから行われた場合、オープンレンジ、3ベットレンジ、3ベットをコールするレンジは、オープンがEPから行われた場合よりも広くなる。
SBとBBのCベットは、オリジナルレイザーが後のIPにいるときほど少なくなります。EPはより強いレンジでオープンしますが、3ベットするプレイヤーはそれよりも強いレンジでレイズしていることを忘れてはいけません。つまり、レイズがLPから行われた場合、オープンレンジ、3ベットレンジ、3ベットをコールするレンジは、オープンがEPから行われた場合よりも広くなります。
実際に見てみると、オープンしたプレイヤーのポジションが後であればあるほど、3ベットに対するコールレンジと3ベットしたプレイヤーのレンジの差はEPの時より小さくなります。そのため、LPが3ベットをコールした場合、ブラインドはあまり積極的にベットしません。40BBでBTNがオープンしてBBの3ベットをコールする場合、エクイティは47.4%となります。UTGがAA以外のペアでトラップすることはほとんどありませんが、BTNはAA、KK、QQをピュアコールします。
ローカードフロップ
654rは、3ベットポットにおけるブラインドのCベット戦略がスタックサイズによって大きく変化する代表例です。40BBの場合、ペアボードのSPRはおよそ1.5であり、OOPから3ベットしたプレイヤーはどのペアもナッツとしてプレイできます。
このため、OOPのプレイは比較的簡単です。K6のようなより弱いペアはオールインすればよく、後のストリートをプレイする必要は全くなくなります。強いペアは小さくベットし、相手をブラフレイズやフロートを誘うこともできます。BTNが相手でも、このシナリオではBBにチェックの選択肢はありません。
しかし、100BBでは、SPRは4と高くなり、弱いペアでのオールインは危険になります。多くの場合、後のストリートをプレイするのは難しくなるので、BBはポットが膨らまないようチェックや10%ベットを多く使うようになります。
SBの3ベットレンジはBBよりリニアなため、ディープスタックの場合、ローカードボードでは不利になります。100BBでは79%のハンドでチェックし、10%でポットベットします。そのレンジは強いが捲られやすいオーバーペアとバックドアのあるオーバーカードでポラライズされています。
しかし、40BBの場合は、SBの戦略はBBに似ています。オールインはありませんがチェックもなく、スモールペアを持っていることは少ないですが、ペアは大きくベットすることがほとんどです。
エースハイフロップ
3ベット側に有利なA64rでは、スタック40BBの場合、ブラインドは両方ともレンジ全体で小さくベットすれば良いです。例えばSBの戦略は以下のようになります。
100BBでは、両方ともポケットペアと弱いAxハンドを中心に大きくチェックレンジを広げます。
SB:
BB:
まとめ
3ベットポットでは、3ベットしたプレイヤーはプリフロップでかなりのエクイティアドバンテージを持っているため、OOPであってもほとんどのフロップで積極的にCベットすることができます。SPRが低いおかげで、ポジション重要性が下がっているためです。ポジションによってチェックレンジを作らなくてはいけないのは、スタックが非常にディープな場合だけで、その場合でも非常に不利なフロップ以外では積極的にベットする方が利益的です。