IPでドローをベットする本当の基準
ドローはいつベットすべきでしょうか?当たり前ですが、「状況によります」。
ドローのベット頻度を考えるには、レンジ全体とほかのすべてのハンドをどうプレイするかまで考慮しなければなりません。実戦では、ドローがブラフに回されすぎることがよくあります。自分より強いハンドをフォールドさせられるうえ、完成すれば後でバリューベットもできるため、ドローはブラフに回されやすいハンドです。
この記事では、すべてのドローをブラフに回すべきではない理由を説明し、実戦でベット頻度を適切に保つためのパターンを見ていきます。
Cベット頻度が低い(50%未満)ボード
まずは、レンジ全体のCベット頻度が比較的低いフロップから見てみます。HUのSBでエフェクティブスタック20bbでミニマムレイズし、BBがコールします。
フロップは8♥7♥3♣です。
レンジ全体では約45%の頻度でCベットし、約55%でチェックします。
このボードには、さまざまな直接的な(あと一枚で役が完成する)ドロー(フラッシュドロー/オープンエンドストレートドロー/ガットショット)があります。
このボードで、あなたはどれくらいの頻度でドローをベットしますか?
このようなボードでは、すべてとは言わないまでも、大半のドローをベットするプレイヤーが多いでしょう。後のストリートでもベットを続けられる十分なエクイティがあり、特定のカードが落ちればバリューベットできるハンドになる可能性もあるからです。
均衡戦略ではドローをどれくらいベットするのか、ソルバーがそう判断する理由まで詳しく見てみます。
ドローのベット頻度は、レンジ全体のベット頻度より僅かに低くなっています。ほかより高頻度でベットに回るドローに、何かパターンがあるでしょうか?
ハイカードの強いドローほど、ベット頻度が高くなります。以下はAハイとKハイのドローです。
そのほかのQハイ以下のドローと比較してみましょう。
これを「ソルバーのノイズ」と考え、頻度を混合するためだけの戦略だと思う人もいるかもしれません。しかし、レンジへの理解が深まるほど、単なる混合ではなく、明確な戦略上の理由があると分かります。
フロップがチェック・チェックで進み、ターンへ移ったとします。次のうち、BBに最も有利なカードはどのグループだと思いますか?
- ハイカードのターン:A、K、Q
- ボードがペアになるターン:8、7、3
- ミドルカードのターン:J、T、9
- ローカードのターン:6、5、4、2
BBに有利な順に並べると、以下のようになります。
- ローカードのターン:6、5、4、2
- ミドルカードのターン:J、T、9
- ボードがペアになるターン:8、7、3(8はBBにかなり有利ですが、7と3はSBに有利)
- ハイカードのターン:A、K、Q
フロップがチェック・チェックで進んだ後、BBに最も有利なカードは、SBがフロップで高頻度にチェックバックするドローと強く絡んでいます。
このフロップでローカードやミドルカードのドローを多くチェックする主な理由がこれです。こうしたターンでは、BBがプローブベットでアグレッシブにプレイすると予想されます。そのため、そこで強いハンドになれるドローをフロップでチェックしておきます。
このようなフロップへの感覚を磨くために、ドローでフロップをCベットするか練習できるドリルを用意しました。
ドローでCベットするかを考えるときは、次の2つを確認してください。
1)自分のレンジ全体はどれくらいの頻度でCベットしたいか?
2)フロップがチェック・チェックで進んだ場合、どのターンカードが相手に最も有利か?
ほぼレンジベット(85%以上)するボード
フロップでレンジCベットした後、どのドローでターンもバレルするかを判断する場面はよくあります。
このスポットでは、3人テーブルのBTNからエフェクティブスタック25bbでミニマムレイズし、SBがフォールド、BBがコールしています。
今回のフロップはK♥8♥2♣です。
小さいベットサイズを高頻度で使っています。そのため、フロップでコールされてターンへ進んでも、BTNのレンジは広いままです。
新たにできるドローが少ない3♠と、多くのドローができるT♣という2つのターンを比較します。
ターン:3♠
このドライなターン(K♥8♥2♣ 3♠)で、次のドローを100%ポットでどれくらいの頻度でベットしますか? 6♠5♠、A♠4♥、A♥Q♥、9♥6♥
6♠5♠ → ほぼピュアチェック
A♠4♥ → ほぼピュアベット
A♥Q♥ → ピュアチェック
9♥6♥ → 混合戦略となるものの、主にチェック
一見すると、少しランダムに思えるかもしれません。
なぜこのAハイドローはベットし、こっちのAハイドローはベットしないのでしょうか?
なぜターンで6ハイのドローをブラフに回さないのでしょうか?
レンジを詳しく見ると、その答えが分かります。
まず、なぜA♠4♥はA♥Q♥よりもベットを優先するのでしょうか?
ターンでベットした場合、BBは次のように対応します。
このターンでフォールドするハンドの大半は、Aハイ、ペアになっていないブロードウェイハンドのうちフロップでバックドアフラッシュドローを持っていたもの、そして一部のローペアです。
A♠4♥は、これらすべてをフォールドさせることで大きなメリットを得られます。
Aハイをフォールドさせれば、チェック・チェックで進んだ後にリバーでAが落ちてクーラー(相手もAのペアでキッカー負けとなること)になる場面を大きく減らせます。また、ターンでブラフし、リバーでAが落ちた場合は、オールインまでプレイできるだけの強さになります。
A♥Q♥は反対です。
このハンドがドミネイトしているAハイやQJのようなハンドをフォールドさせてもメリットはありません。ターンではチェックするのが自然です。フラッシュが完成するリバーでもチェックレンジを守れるうえ、ハイカードのリバーでベット・チェック・ベットラインを取れば、相手のハイカードをドミネイトしている状態にできます。
トリプルバレルライン:A♠4♥は、フラッシュが完成しないAのリバーなら、オールインまでプレイできるだけの強さがあります。
ベット・チェック・ベットライン:
一方、ベット・チェック・ベットラインでは、弱いキッカーのトップペア(A)はバリューベットできるほど強くありません。BBはAx以上のハンドを多く持ち、それらでコールするためです。だからこそ、このようなハンドはターンでバレルし、より強いキッカーをフォールドさせる方を優先します。反対に、最も強いスーテッドAxはターンでチェックするメリットがあります。セカンドバレルを打てばフォールドしていたハンドから、追加のチップを獲得できるためです。
では、6♠5♠はどうでしょうか?なぜ6ハイをブラフに回さないのでしょうか?
BTNのレンジは、主に9以上のカード2枚かポケットペアで構成されています。6♠5♠のようなスーテッドコネクターはほとんどありません。そのため、チェックした後に9未満のローカードがリバーで落ちると、BBに有利になります。反対に、9以上のカードはBTNに有利です。
一般的に、あるカードが一方のプレイヤーにより有利なら、そのプレイヤーがポットへ投入する金額も平均的に多くなります。
ローカードのドローを主にチェックするのはこのためです。このようなハンドが完成するリバーでは、相手がより多くのチップをポットへ入れる可能性が高くなります。また、自分のレンジに有利なリバー(9以上)では、ベット・チェック・ベット(BXB)ラインでブラフも残せます。
リバーカード別にBBのプローブを比較
A♦リバーでのBTNのディレイダブルバレル
ブラフの一部には、ローカードのターンで新たにできたドローが使われています。
ターン:T♣
このウェットなターン(K♥8♥2♣ T♣)で、次のドローを100%ポットでどれくらいの頻度でベットしますか? 6♥5♥、9♥7♥、Q♠J♠、A♦Q♠
6♥5♥ → ほぼピュアベット
9♥7♥ → ほぼピュアチェック
Q♠J♠ → 混合戦略となるものの、主にチェック
A♦Q♠ → ピュアチェック
前のスポットの分析から、A♦Q♠は正しく判断できたでしょう。3♠ターンと同じ考え方で、ドミネイトしているハンドをすべてフォールドさせたくはありません。
しかし今回は、6♥5♥がほぼピュアチェックではなく、ほぼピュアベットを選びます。3♠ターンからT♣ターンへ変わると、何が違うのでしょうか?前のスポットでは、フラッシュが完成しない4がリバーカードとして落ちると、6♥5♥は、全体としてBBのレンジに有利なカードでナッツになりました。今回はそうならないため、フォールドエクイティを取りにいきます。
相手のレンジに有利なカードでナッツになれるハンドは、まだ一部残っています。具体的には、76/96/97のスーテッドです。これらは6/7/9のリバーでナッツストレートまたはセカンドナッツストレートになります。先ほどの考え方に当てはめると、これらのハンドはチェック頻度が高くなると考えられます。
T♣ターンにおけるドローの例:
実際、そのようなドローはチェックします。BTNレンジに不利なカードで(実質的な)ナッツになれる一方、BTNレンジに有利な9以上では強いハンドにならないドローです。ストレートが完成すればバリューを取り、完成しなくてもBTNレンジに有利なカードではBXBラインのブラフに回せます。
まとめ
どのドローでバレルし、どのドローでチェックするかを判断するときは、次の3つを確認してください。
1)どのリバーカードが自分のレンジに有利で、どれが相手のレンジに有利か?
2)自分のドローが完成するのは、自分と相手のどちらに有利なリバーか?
3)ベットした場合、自分のドローは、フォールドするハンドの多くをドミネイトしているか?
注意:フォールドエクイティから最も大きなメリットを得られるドローをベットに回すからといって、必ずしもSDVが最も低いハンドを選ぶとは限りません。
すべてのドローをバレルするとどうなるか
フロップでCベットしたペアのないドローを、ターンですべてバレルするプレイヤーもいます。最初の例に戻りましょう。エフェクティブスタック20bb、HUでSBがミニマムレイズしたポットの8♥7♥3♣です。
GTOのCベット頻度はそのままにして、フロップでコールされた後の4♣ターンを見てみます。
GTOではレンジの約58%でバレルしますが、上の画像のとおり、ドローの約56%はチェックします。ここで、ドローを100%ベットするようにノードロックしつつ、全体のベット頻度は同じになるようにします。
SBがより多くのドローをベットすると、BBの対応がどう変わるかを見てみます。
ドローを多くベットしながら全体のベット頻度を変えないと、SBのベットレンジは実際には強くなります。ドローはポラライズしたブラフよりもエクイティが高いためです。そのためBBは、以前ブラフレイズに使っていたT♥5♥のようなSDVの低いハンドをレイズレンジから外し、コールに回します。
まとめ
ドローでCベットやバレルをするか判断するときは、目の前のフォールドエクイティだけでなく、次の点まで考えてみてください。
- 自分のレンジはどれくらいの頻度でCベットしたいか?
- どのターン/リバーカードが相手のレンジに最も有利で、自分のレンジに最も不利か?
- ドローをCベット/バレルすると、ドミネイトしているハンドを多くフォールドさせてしまわないか?
- ボードの仕上がりごとに、リバーでどのハンドをベット・チェック・ベットラインのブラフに回すか?
これらを考えることで、レンジ全体の構成への理解が深まり、ドローを使ったベット頻度を適切に保てます。
IPでターンをブラフするときは、ポラライズしたブラフを多く含めることが重要です。そうすれば、どの種類のドローが完成するリバーでもブラフを残せます。直接的なドローだけを使うと、そのドローが完成するリバーでレンジが強くなりすぎる可能性があります。




















