アンティがあるキャッシュゲームの攻略方法
アンティが導入されたキャッシュゲームは、特にオンラインでますます一般的になっています。そこで私たちGTO Wizardでは最近アンティゲーム用のプリフロップレンジを公開し、ポットがより膨らむことによって戦略がどのように変わるかをより簡単に学べるようにしました。
私自身、現在プレイしているゲームにはアンティが含まれているため、これらのソリューションを活用できるようになったことは、自分が参加しているプレイヤー層で勝ち切る戦略を構築するうえで大きな助けとなりました。本記事では、その中で得た気づきをいくつか共有したいと思います。
オープンレイズ
アンティがあるときに最も分かりやすいプリフロップ調整のひとつは、テーブル上のすべてのポジションがより頻繁にポットへ参加することです。アンティありのレンジ表と、通常の(アンティなしの)レンジ表を比較すると、同じポジションでのオープンレイズはアンティありの方が約4〜6%多くなっています。
これはもちろん、ポットに最初からより多くのチップが入っているためです。ポットを獲得したときのリターンが大きいため、本来ならフォールドしていた弱いハンドでも、そのリスクを補えるようになります。
注目すべきは、こうした中途半端なハンドがそれほどEVを得られないという点です。アンティゲームでは、追加のEVは強いハンドに集中しています。BTNから3つ前のポジションでAAを配られると、アンティなしのゲームに比べて3.18bb分価値が高くなります。最初のポットが大きいだけでなく、プリフロップからポストフロップにかけてポットが早く大きくなるため、強いハンドが自然と有利になります。
最も大きな変化はSBの戦略です。フォールドで回ってきた場合、アンティなしのゲームではSBは54%フォールドしますが、アンティありのゲームでは33%しかフォールドせず、大幅に減少しています。さらに、アンティがある場合、SBの主な選択肢はリンプで、SBのレンジ内の最強ハンドを含む広いレンジで行われ、BBからのアイソレーションに対応できるようになっています。
オープンレイズに対して
オープンレイズに対しては、アンティ戦略の特徴がよりはっきり表れます。より広くディフェンスし、3ベットよりもコールが選ばれやすくなります。これは一部、単純にプレイ中の追加チップによるものであり(この記事で何度この表現が出てくるか数えてみてください)、さらに言えば、すべてのオープンレイズが通常のゲームより数%広くなっているため、より多くのハンドがEVを生み出せるようになります。
3ベットよりもコールを増やす傾向は、BTNに近づくほど顕著になります。これらのポジションでは、ポジションがあることが多く、その後のストリートでも優位性を活かせます。例えば、HJのレイズに対して、BTNは参加するときの半分以上のケースでコールを選んでいます。
簡単に調整する方法
ここまでで明らかになったのは、アンティはプリフロップレンジを広げ、ポストフロップのSPRを小さくするということです。これらはどちらもポストフロップ戦略に影響します。さらに、アンティありのゲームではプリフロップでのコールが多いため、マルチウェイになる場面が増えます。マルチウェイは研究が難しく、2人以上に対応できる専用のソルバーが必要です。
ただし、通常の戦略からそれほど逸脱しない形でアンティ戦略を学ぶ方法があります。それはプリフロップのベットサイズを大きくすることです。実際ソルバーもその方を好みます。大きなオープンサイズはEVが高くなる傾向があります。これまで比較してきたシミュレーションは、できるだけ同条件で比較し、唯一の違いはアンティの有無というものでした。
どちらのシミュレーションでも、SBを除くすべてのポジションでのオープンレイズはBBの2.5倍、SBは(リンプしない場合)3.5倍でした。しかし、クラシック(通常の)で2.5xオープンするシミュレーションと、アンティありで3xオープンするシミュレーションを比較すると、私たちが知っている戦略により近い結果が得られます。同じポジションでのオープンレンジの割合がかなり近くなり、他のプレイヤーの反応もコール頻度が大幅に低下します。これはどちらも、ポットに参加するコストが高くなることが理由で、その結果アンティの影響を戦略面で相殺する働きをしています。
もちろんレンジが完全に同じになるわけではありません。大きなサイズでオープンすると、すべてのレンジがより高い純粋な勝率を持つハンドに寄っていきます。これは主にポストフロップのSPRが小さいためです。小さいポケットペアやスーテッドコネクターの価値は下がり、高いカード、特にAを持つハンドの価値が上がります。これは、アンティあり(7-max)でのLJからの3xオープンと、クラシック(6-max)でのUTGからの2.5xオープンを比較するとよく分かります。アンティありでは全体として2.1%多くオープンしているにもかかわらず、低いポケットペアやスーテッドコネクターはやや少なくなっているのです。
まとめ
一見すると非常に似た構造に見えるゲームでも、アンティがあることで戦略に大きな影響が出ます。こうした変化は、大きなオープンサイズを使うことである程度相殺できますが、プリフロップの段階から戦略がどう変わるかを理解しておくことが、これらのゲームで成功するためには不可欠です。
- より多くのハンドでプレイし、特にポジションがあるときやポットに対して少ないチップで参加できるときはコールレンジを広げること。
- インプライドオッズに頼るハンドは避けること。全ストリートでSPRが低くなるためです。
- 3ベットブラフをするときはAやKといったブロードウェイ系のオフスートハンドを優先すること。スーテッドのコンボはコールを選ぶ場面が多くなるからです。
アンティキャッシュゲームを学びたい方は、次の練習課題に挑戦してみてください。